彩雲国物語

彩雲国物語は、架空の国・彩雲国を舞台に名門紅家の直系ながらも貧乏生活をおくる主人公、紅春麗と紅秀麗のふたりの姉妹が夢を追い求め叶えていく物語。
当初は政治色が強かったが、回を重ねるごとに姉妹の恋模様が描かれることが多くなった。
中国・唐代の制度をもとにしている部分が多いが、後半はファンタジックなストーリーになっている。


主な登場人物


紅春麗(こう しゅんれい)

彩雲国の中で最も力のある貴族(彩七家)の中でも名門中の名門、紅家のお嬢様だが、紅家を出た父のおかげで貧乏暮らし。その為、妹・秀麗とともに必死に賃仕事をして生活していた。賃仕事の内容としては、侍女や妓楼で給仕など、貴族では絶対に足を踏み入れないような裏仕事まで経験済み。
春麗が幼いときに死んでしまった母親からは、礼儀作法や二胡を教わっており、礼儀作法においては彩雲国で彼女の右に出る者はいないと言われるほど。
深茶色の長い髪、紫色の瞳、雪のように白い肌、と文字通り絶世の美女で、王宮には彼女の崇拝者さえ現れるほどである。縹 璃桜に「薔薇姫さえも霞んでしまう」と言わしめた。しかし実際の本人は静蘭曰く「たまごやきのようにふわふわほわほわしている」というような天然で、雰囲気も容姿も御伽話からそのまま抜け出てきたような、どこか浮世離れしたものであるらしい。
彼女が幼少のころ慕っていた玉蘭に手ほどきしてもらった琵琶の腕は王宮の楽師にも引けをとらない。
8歳の時に起こった王位争いの際の悲惨な体験から、ずっと心の中で玉蘭との約束を果たすため妃華になりたいと思っていた。そのために父に勉強を習ったり、街の本屋で大量の書物を読みふけったりなど独学に励む。
優しく素直な性格で、時折子供のように無邪気な一面も。しかし彼女が敵だと認識した相手には、ことごとく鬼のように残酷な一面を見せる。
母の死後、秀麗の母代わりとして彼女を育て、家事に関しては役立たずの父の代わりに一家の家事をしてきた為、かなりの倹約家でもある。
紅州で生まれたが、五歳のときに第二公子・清苑の妃として後宮に入り、彼が流罪になるまでの三年間を後宮で過ごす。しかし清苑が流罪になると王宮では清苑派の粛清が行われ、そのため命を狙われることとなる。
危機一髪のところで紅家の影が救い、本家へ連れて帰るが、その時点で彼女は一切の感情を失くし生きる屍と化していた。それを嘆いた彼女の母が、春麗の後宮での三年間の記憶を封印する。その後は何らかの事情で秀麗たち家族が貴陽に移ってもひとり紅本家の神域の森で暮らし、彼女が再び家族と再会したのは皮肉にも母・薔君の最期のときだった。その際に静蘭と出会い、以来一緒に暮らしている。雷とねずみが大の苦手。

(5歳~8歳~「牡丹の花が咲くころに」)

第二公子妃として入内。当初は義理の姉たちからの折檻がひどく、ひとり逃げ込んだ牡丹の園で泣いていたところを清苑に発見され、以来共に過ごすようになる。牡丹の園が好きだったため、清苑からは「牡丹」と呼ばれる。劉輝を弟のように可愛がりっていた。
彼女が8つのころ、御家再興を望む朝廷百官のひとりから誘拐され、第二公子妃殺害を企てられる。
が、そのときに初めて彼女の異能が目覚め、凶手たちを残らず惨殺してしまった。のちにその惨殺が起きた地下牢は封鎖される。唯一の目撃者である清苑とともに、この惨殺の事実を永遠に周囲には秘密にすることをお互い誓う。
のちに清苑が流罪になると、紅本家へと戻り、その後紅本家神域の森で暮らす。

(21歳~「はじまりの風は紅く」「黄金の約束」)

恋花祭をきっかけに記憶の封印がとけた春麗は、静蘭がかつて自分が憧れ追い求めた清苑公子であることを確信する。彼がいなくなったあと劉輝を守ることができなかった後悔に涙し謝る春麗に、静蘭は初めて自分が清苑であることを認め、その上で春麗を愛する想いを口付けで伝える。そうしてふたりはようやく想いを通じ合い、かつてのあるべき姿に戻った。
そんなとき、霄太師に昏君の(ふりをしていた)劉輝の教育係を金五百両の報酬で頼まれ、秀麗は貴妃として、春麗は貴妃付きの女官として後宮に入る。劉輝が政事を真面目にするようになった後、秀麗とともに後宮を辞す。
しかし彼女の本当の正体に気づいた霄太師は、春麗を呼び戻すべくかつて王位争いの際に廃止になった妃華職を復活させる案を朝議に提出した。
夏が来て、妃華職復活の知らせを聞いた春麗はひとり決意を固める。そして冬に行われる妃華審査を受けるため、彼女は本気で猛勉強を始めた。
一方、劉輝達は女性官吏登用制度案を朝議にかけたが、奇人は施行までの期間が短すぎることからその意見に反対。しかし猛暑で人手不足の戸部に勤めた際の秀麗の仕事ぶりを見て思い直し、賛成に回る。これにより条件付で制度が試行されることとなり、秀麗は国試を受けられるようになった。

(22才~「花は紫宮に咲く」「思いは遙かなる茶都へ」「漆黒の月の宴」「欠けゆく白銀の砂時計(前半)」)

二十二歳の年に妃華審査を受け、春麗は貴族の娘たちの頂点である妃華に無事合格した。
八年ぶりに復活する妃華も彩雲国初の女性官吏も紅姉妹であったため、朝廷では疑念の目がふたりに向けられる。彼女を含め配属に困る人材が多かった為、配属先を決める吏部試が行われず「新進士は朝廷に留め置き」という処置がとられた。午前中は厠(トイレ)掃除、午後は影月と一緒に府庫(図書室)で書簡の整理の仕事を割り振られる。又、この仕事以外にも、女だからという理由でいじめをする官吏達に寝る間も無いほど雑用を任されるが、無事に進士から官吏へとなる。藍龍蓮の「心の友・其の一」となる。
その後、杜 影月とともに茶州州牧に任命され、劉輝から花として蕾(無限の可能性と希望の意)を下賜される。茶州に赴く途中で秀麗以外の四人が殺刃賊に捕らえられ、一人旅を余儀なくされる。その直後に麗人の商人「琳千夜」と出会い、茶州州都・琥璉の一歩手前の商業都市・金華へ行くため彼の商隊に侍女として雇われる。無事に金華に到着するが、そこで彼の素性を知ることとなる…。
そして茶家の騒動を片付け、影月とともに茶州州牧に正式就任する。